世の中

陰謀論とデマは違うんですが・・・(^^;

(2021年2月4日投稿の記事)

奥村です

陰謀論とデマは違います!以上です(ビシッ!)
と言ってしまったら本当に終わってしまうんですが。本日のお題は陰謀論とデマです。

「君の意見は陰謀論だ!デマを流すんじゃない!」

皆さんは相手からこう言われた時、どう感じますか?うっと詰まるも「何か違うよね」と思いませんか?

陰謀と言えば、最近で言うならアメリカで発生したQanonです。

日本人のフィットしたのか、日本で多くの信奉者を獲得しています。ここで、簡単にどんなものかを紹介します。本気で語ったらすごく長くなるのであらすじです。

【あらすじ】
父JFKを暗殺で失ったJFKジュニアが、父が戦ったディープステートと戦うために上院議院選挙に出馬してヒラリー・クリントンと争うことになった。ジュニアは抜群の人気で勝利間違い無しだったが、ディープスロートに命を狙われて非常にやばい状況になったため(実際叔父さんのロバートも大統領選挙中に暗殺されています)、飛行機事故で死んだことにして、身を隠すことにした。

潜んで捲土重来を目指す大統領の息子。それを助けるのが親友で大金持ちになったトランプさんで、ついには2016年に大統領にまで上り詰めて、世界を影で支配するディープステート成敗を開始することに。

2017年10月に’4chan’という「匿名掲示板」に「Q」を名乗るユーザが登場。「Q」は実はJFKジュニアで、掲示板の中で彼はディープステートの悪事を暴き、トランプ大統領とともにディープステートを倒す支援者作り、世の中の流れを作ってトランプを支援していく。

2020年の行われるトランプが再選を目指す大統領選挙で、Qグループは沼に隠れたディープステートをあぶり出しするとともに、世界のディープステートを一気に滅ぼしていく! ※あらすじ終了です

詳しい方からみると余りにも雑な要約かもしれませんが、今回の目的はQanonの解説ではありませんので、ご容赦下さい。このストーリーいかにも日本人が好きそうじゃないですか。イケメンの息子が長い間艱難辛苦をなめながら、ついには父親の仇を取り、世の中を平和にする。ファンが増えるはずだよね。

で、です。このストーリーは立派な陰謀論です。誰が見ても陰謀論です。じゃあ、これはデマでしょうか?ストーリーの大部分は事実です。あらすじの文中で太字にしたところが事実であることを確認できないところです。

第1にJFKジュニアが生きている、ということはJFKジュニアの現在の姿の写真が公開され、飛行機事故で亡くなる当時の写真と比べ顔の作りが同じである、として証明されたことになっています。尤も画像編集技術の進んだ現在、写真くらいどうにでもできるとの考え方もありますが、証明されたわけでは無いです。

第2に2020年の大統領選挙については、現在進行形ですので、事実が確認できていません。そのような中でも①世界各国で政権崩壊が起こった②バチカンで10人の司祭と法王の主治医がコロナ死③バイデンの就任式は事前録画だった④ワシントンDCにいつまでも州兵が駐在し実質非常事態扱いになっている。まだまだ色々あります。要は只ならぬ状況になっています。(このことはどこかでまとめます)

正直この状況でQanonは単なるデマだ、の一言で片づけるのは論理的に乱暴であると思います。さらに言えばQanonが陰謀論だからデマだ、になるとさらに深刻です。運暴論はデマと異なり現実になる可能性を持っているからです。

例えば、明治維新の際に坂本龍馬が上洛する船の中で土佐藩の後藤象二郎に提示し、海援隊の同志が書き留めたものとされており、その後の大政奉還と明治政府の国体を決めた重要な出来事と言われています。参考までWikipediaから全文を引用します。

一、天下ノ政権ヲ朝廷ニ奉還セシメ、政令宜シク朝廷ヨリ出ヅベキ事。
一、上下議政局ヲ設ケ、議員ヲ置キテ万機ヲ参賛セシメ、万機宜シク公議ニ決スベキ事。
一、有材ノ公卿諸侯及ビ天下ノ人材ヲ顧問ニ備ヘ官爵ヲ賜ヒ、宜シク従来有名無実ノ官ヲ除クベキ事。
一、外国ノ交際広ク公議ヲ採リ、新ニ至当ノ規約ヲ立ツベキ事。
一、古来ノ律令ヲ折衷シ、新ニ無窮ノ大典ヲ撰定スベキ事。
一、海軍宜シク拡張スベキ事。
一、御親兵ヲ置キ、帝都ヲ守衛セシムベキ事。
一、金銀物貨宜シク外国ト平均ノ法ヲ設クベキ事。
以上八策ハ方今天下ノ形勢ヲ察シ、之ヲ宇内万国ニ徴スルニ、之ヲ捨テ他ニ済時ノ急務アルナシ。苟モ此数策ヲ断行セバ、皇運ヲ挽回シ、国勢ヲ拡張シ、万国ト並行スルモ、亦敢テ難シトセズ。伏テ願クハ公明正大ノ道理ニ基キ、一大英断ヲ以テ天下ト更始一新セン。

これは私が学生の頃は実在しているように教わった記憶がありますが、最近の研究では後世の創作だという説が有力だそうです。

これは立派な陰謀論ではないでしょうか?一人の男が大政奉還から、その後の新政府の方向性を決めてるんですよ。坂本龍馬素晴らしい!もちろん大河ドラマでも船中八策の下りは有り日本人にとって事実と言って良いでしょう。

でも、船中八策について私が語ったとしても、それはデマとは言えません。デマは自分が誤りであると分かっているものを、さも事実であることのように流布することで、少なくとも船中八策が作り話であると証明されていないので、デマとも言えないですし、事実と考えている人も多いと思います。

誤りであることが証明されることがデマかデマでないかの境界線です。だから、デマであることの証明が必要です。もし、Qanonをデマというのであれば、JFKジュニアが生きているという証拠を明確に誤りであることを証明しなくてはならないのです。そのステップをすっ飛ばして陰謀論=デマは無理筋だとご理解頂けると思います。

他の陰謀論についても見てみましょう。私の知る昔から有る陰謀論として「アメリカ政府はUFOと宇宙人をエリア51の施設に隠している」というものがあります。宇宙人にさらわれた体験談も含め色々な話がありますが、不思議なことにUFOの存在をデマという人は少ない様に思います。実際目撃事例が数多く有り、否定を仕切れないからデマと言いにくいのでしょう。

近いところでは911のツインタワー破壊は実はビル破壊をCGを駆使することで飛行機がビルに突っ込んで破壊したように見せかける、というものがあります。犯人としてはいろいろな説があり、Qanonではディープステートが抵抗勢力のスパコンを破壊するためにビルごと破壊した、というストーリーになっています。

これもビルの破壊の状況、突っ込んだ旅客機のサイズとビルの穴が合ってない、飛行機がビルに突っ込む姿がよく見ると合成写真だ、とかそれらしい証拠が出されており、簡単には否定できないまま現在に至っています。それなので、「デマだ!」と言うと強烈な反撃を受けることになります。

私は陰謀論が大好きです。歴史は陰謀が作るとも考えています。陰謀論はデマか?というとこれまで説明しましたようにデマではありません。一方で事実かというと事実では無いです。事実とは認定されてないからです。あくまでも陰謀論は陰謀論にすぎないことを間違わないと陰謀論に振り回されちゃいます。

皆さん、事実は事実、仮説は仮説、陰謀論は陰謀論、デマはデマ、しっかりと使い分けましょう。長々した割に余り内容有りませんでした。失礼しました m(__)m

それでは!また(^^)/